有効性の検討
この計画敷地は、南北に長い短冊状の敷地である。角地で北側・西側の2辺を道路に面した敷地であるが、西側の道路は建築基準法42条2項道路で、幅員4m以下であるため、道路斜線により相当の容積減と、高層化できる部分がきわめて限定される。つまり
- ELV中央付近に設置の場合:3階以上でのレンタブル費が極めて低い。
- ELV南側に設置の場合:3階以上でのレンタブル費が低く、かつ住居系では物件の価値が著しく落ちる。事業系の利用には床面積が小さい。
- ELV北側に設置の場合:1フロアあたり比較的まとまった面積が確保できるが、上部にはELVアクセスできないか、セットバックにより可能としても上部のレンタブル費はかなり低い。
以上3点から、従来の法規制では効率的建物は不可能である。そこで、天空率詳細計算にて可能な範囲を想定し、かつ、以下の2点を考慮。
- 比較的まとまった床面積を下層階から上層階まで確保できる形態
- 中央付近にELVシャフト階段を設けてワンルームマンション、賃貸マンション、事業所のいずれにも対応できる平面形態
その結果、計画的に事業採算性に適合する、形態と容積を確保している。