平成21年国土交通省告示第15号による計算方式
「平成21年国土交通省告示第15号」により計算方式が変わりました。これに準じて計算しています。ただし以前の「昭和54年建設省告示第1206号」の基本的考え方は変わっておらず、変わったのは以下の2点。
- 建物分類が細分化
- 作業量単位が1日あたりから時間当たりとなる。
したがって、計算式は以下のとおり。
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報酬=直接人件費(A)+経費+技術料+特別経費+消費税
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直接人件費(A)=標準所要人・日数×直接人件費単価
民間の実体に合わない「告示計算方式」
さて、上の計算方式で設計料を計算すると、現実とはかけ離れた数字となります。それぞれの算定例で計算してみたところ、「告示」の5割引から7割引が、実態だと思います。なぜかといえば、報酬の消費税以外
「直接人件費、経費、技術料、特別経費、 標準所要人・日数、直接人件費単価」は全て任意の自由競争設定
だからです。以前は、工事費に対する料率(パーセンテージ)で、強制的に決定されていましたが、自由な競争を阻害するとして「1975年に公正取引委員会から料率は決めるなといった廃止勧告」により、今のような積み上げ方式になったのは有名な話です。それゆえ、強制力にない消費税以外は、どんどん小さくなる仕組みです。この構造が、姉葉偽装事件等設計のレベル低下を招いた元凶と多くの設計者が考えているのではないでしょうか。
しかし、実際に費用かかるものがなぜ、支払らわれないのか!それは根強い「設計施工一貫方式」を中心とした商慣習にあるからだと思っております。これについては、別の場所で論じらればと思います。
質を落とさない設計料の削減
質を落とさない設計料金の削減のために以下を調整して、削減しています。
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設計工程を見直しし、所要人数を削減
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3D・BIMによる設計の合理化による所要人数を削減
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直接人件費単価の削減
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郊外型オフィス・IT技術の活用による事務所経費の削減
上の補足をすると、以下のとおり。
- 告示指定の標準所要人数によらず、経験的、3D・BIMによる設計工程を作成。独自に所要人数を算出し削減
- 3D・BIMによる設計の合理化による所要人数を削減
- 日本建築士事務所協会連合会の建築士事務所の技術者人件費は、大企業の賃金体系が反映され、実態にそぐわないことから、人事院の「民間給与の実体」を参考に実態に近い直接人件費単価を決定し、削減。
- 都心にオフィスを設けず経費削減。ITの利用により営業努力、事務経費を削減する。