設計フローの変化とコストダウン・・1.設計作業曲線
- 企画・調査、基本設計、実施設計、工事・監理の各作業段階での
- 理想の設計作業曲線
- 実際の設計作業曲線
- パレートの法則
- 設計の改善によるコスト削減が可能な部分
青い線が、通常の設計作業量です。実施設計後半にピークがきます。
紫の点線が「パレートの法則」曲線です。経済学者パレートの提唱する法則で「2割の商品が、8割の売上を占める」という経験則ですが、経験則として「設計の2割の部分が、機能の8割を占める」にも代用されます。建築設計では、よく「段取り8分」などと言われる経験則として考えると、建築設計にも当てはまるのではないでしょうか。つまり「設計の初期段階の2割の作業で、予算の8割を決定する」とも理解できます。それが紫の点線曲線です。
理想の設計作業曲線を考えると、「パレートの法則」曲線内に収まるのが理想です。ところで、設計ははじめから目標が決まっていないので通常はゼロからの始まりです。したがって、真に無駄のない仮想の理想設計作業曲線を描くと、赤い点線になります。
しかしながら、通常の設計作業は、図面間の調整・修正、見積との調整で、実施設計後半にピークを迎え、積み残し作業、設計変更を工事中に行うことも少なくないのが現状ではないでしょうか。
設計作業曲線によって、囲まれる部分が設計の作業量です。したがって、「パレートの法則」曲線(紫の点線)から、設計作業曲線がはみ出て、この2つの曲繊に囲まれた部分が、「設計の改善によるコスト削減が可能な部分」です。さらに設計の改善により「どのようなコスト削減」となるかを考えると、
が上げられます。
しかし、、設計の作業量は、パソコンやCADが普及したからといって、減ってはいません。逆に、設計要求条件の複雑化、法的用件の複雑化により、作業量を増えているのです。
したがって、設計作業総量は、設計作業自体の削減と作業量の増大が相殺され、設計作業量自体が変わらないとすると、設計作業のピークを出来るだけ前倒しにして、「設計の改善によるコスト削減が可能な部分」を減らし、ひいては、工事費・LCCの削減されると考えられます。
レイアウト、動画・画像が、画面幅にパラメトリックに変化。のはずが・・修正完了。各ディバイスで見やすくなりました。2014.11.5
03-5694-3866 お問合せはこちら | |
一級建築士設計事務所:東京都知事登録42995号 (本社)東京(北上事務所)岩手北上 |