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掲載誌 日経アーキテクチャー1997.11.3/室内環境 検証・透明建築の暑さ対策
音楽ホール体育館展示複合建築・白石市
掲載誌の記事紹介
設計時から大空間の冷暖房対策は、議論の的となっていました。
紹介された通り、厚さ対策としては、ロールスクリーンを利用しています。ロールスクリーンもセンサー方式でなく、タイマー方式で、モーターの負担を少なくすることや、モーターの故障時には、メンテナンス用のキャットウォークから手動での上げ下げもできるようになっています。実際の空調も大空間の特長を生かし、熱気は上に上がるので、屋根上部から熱気を排気し、床から立ち上げれれたノズルによって、人のいる床付近数メートルを冷房する考え方です。冷気は下にとどまるので、人は常に冷気の中にいることになります。
実は、問題は暖房です。大空間では、熱が上に上がるので、床付近はいつまでたっても暖まらない。最適は、床暖房なのですが、予算が追いつかない。したがって、ノズルで、人のいる付近に暖気を吹き込む方式をとっています。音楽ホール周りの床から立ち上がるノズルがそれです。また、体育館は、冷暖房の噴出し口のほかに、天井にデリベントファンを設置して、天井の空気を強制的に下に送り返し、長時間の利用にも耐ええる様に考えられています。
なにしろ、構造・設備が全てむき出しのデザインなので、システム全体を把握して、デザイン化することが必要だったのです。ただ、省エネが叫ばれる今、現在設計すると回答は、異なっているかもしれませんが・・・(2008.7.22筆)
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