- 下の5つの設計要件に関する説明ー設計要件と曲体建築の可能性
- (当コンペティション提出時の設計趣旨説明の全文)
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岩見沢のまちの顔となる駅、変わらない価値を持つ駅舎への提案
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地域文化を担い、地域交流の拠点となる駅舎への提案
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建設費と維持管理費低減のための提案
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駅舎と周辺施設、特に駅前広場と調和を考慮した提案
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中心市街地と駅との積極的関係
誰もがはじめての旅をはじめるとき、駅舎の思いでがあるのではないか。とはいえ、どのような形態の駅でもよいのかといえばそうでもなかろう。昔の古典的形態の駅舎が、懐かしく思い出に残るのに、かつて建築学会賞も受賞した経済的機能的駅舎が記憶に残らない。これは、古さ、懐かしさだけでなく古典的形態に経験的にデザインの強度が、意図されているのであろう。今回の提案では、古典的技法に頼ることなく、これに挑戦する。つまり、生態的曲線による建築の再構築である。さらに、旅人が安心して身を寄せる建築の原点としてシェル形態を用いている。
地域文化=交流=駅舎に共通するのは、運動、移動することである。地域文化も人の移動による刺激がなければ発展しない。交流は人の移動なくしては不可能であり、駅はその始まりである。この駅舎では、本来の駅からの旅立ちがあるばかりでなく、都市計画的には、北側今後開発される町との結節点にもなり得る。駅裏とは、断絶されているケースが地方都市にはよく見られるが、この歩行者専用通路を、より積極的に生かし、生気ある散歩道、思索するのに気持ちのいいプロムナードそのものが、まちに大きく貢献するものと考えたい。つまり気持ちのいい曲線通路が駅と複合施設に流れるように計画されている。できれば、北国の温室のようになればよいのであるが。
基本的にコストダウンは建築質を低下させる。コストを下げても機能は低下しないことは、なかなか難しい現実であり、常に実現されるとは限らない。
ここでは、上記のデザイン的質を維持するため、すべて3次元設計で行う。
複雑な形態も3次元上で再生可能なデータがすべてプロットされる。これにより、正確な図面、数量把握行い、効率的な設計工事を、考えたい。また、3次元設計の豊富なデータは、完成後の維持、管理、運営にもおおいに役立つものと考える。
外装は、緑色の熱線吸収ガラスを想定し、熱効率のよい詳細計画を考えたい。清掃も散水程度で汚れの目立たない細部計画としたい。但し、設計の過程で多くの素材が検討されるであろう。
デザイン、機能的に予定調和の考え方が、駅としてふさわしいとは言いがたい。駅は、旅立ちの、特別な場所である。日々の生活においても一区切りをつける、特別な場所ではないだろうか。明治時代に珍しいものとして入ってきたように。町の象徴でもあり、人の記念碑でもある。この案では、正面性を持つとともに、彫塑的フォルムにより、駅という特別な場所の記念碑としての性格を与えた。
駅ビルのように複合機能を持つとだけでは、中心市街地との関係とはいえない。駅ビルもむしろ中心市街地との関係を断絶している場合も多い。
ここでは、列車の見える駅前広場を提案したい。
駅舎により、駅構内が分断され、ゆっくり電車のユーモラスながたも見れない。子供の頃、蒸気機関車が走る姿を、駅まで見に行ったように、鉄道が生活と視覚的に手を結ぶように考えた。出会いの場所にもなればと思うし、蒸気機関車が駅越しに見ることができればさらに楽しいだろう。
レイアウト、動画・画像が、画面幅にパラメトリックに変化。のはずが・・修正完了。各ディバイスで見やすくなりました。2014.11.5
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