設計施工請負の場合、設計も行い全てを丸々請け負うことで、パイを大きくし、内部の資金の流動性を高めて、利益率を上げるという手法といえます。一方、工事施工者(会社)が設計も全て行うと言うことは、設計にかかわるリスクも全て内包され、工事と設計のリスクが混同するため、一緒に発注者(オーナー・建築主)のリスクも背負い込むことになっているともいえます。
ここで提案は、工事施工会社の工事リスクの多くを占める設計を全て外に出して、工事施工会社の安定経営と収益率向上をめざすビジネスモデルです。
というと、今までの設計・工事施工分離に過ぎないとの批判もあるかもしれません。今までの説明の中で、3D・BIM設計は工事リスク回避の手法をであることを説明しました。さらに、設計の早期の段階から、情報を共有し、また、施工段階においても設計情報を利用しながら、工事施工の効率性を高めるならば、設計を分離しても工事のリスクを負うことなく、工事施工性の効率を高め、かつ、コストダウンによる競争力の向上が可能です。設計のアウトソーシングは、設計内容の透明性も高め、 アカウンタビリティー(説明責任)の向上も得られるでしょう。
「原価公開方式」も可能ですが、3D・BIM設計の全てのメリットを生かした設計アウトソーシングでも、工事施工企業の収益の向上に十分効果的な方法です。
設計アウトソーシングでの利益率向上は、3D・BIM設計メリット総動員
3D・BIM設計アウトソーシング全てのメリット羅列すると以下になります。
- 基本設計で設計見積による前倒し効果での利益率向上
- 見積数量調書のアウトソーシングで作業の省力化
- 高品質設計での見積数量調書の図面との整合性大での利益率向上
- 見積期間の短縮
- 施工図データのアウトソーシングでの利益率向上
- 高品質設計による施工図作成の高効率化
- 高品質設計による工種間図面調整省力化(手戻り無し)
- 高品質設計見積により不整合手戻り無しの省力化
- 部材・部位・仕様ごとの数量把握
- 発注者工事発注後要求のリスク回避
- 設計不整合リスク回避
- 見積不整合リスク回避