建築設計の役割
建築設計は、大きく3つの段階に分かれます。要求を整理する計画段階、法律・環境・技術・予算を総合的に考慮し、設計図を作る設計段階、安全・性能上設計どおりに施工されているかを確認する監理段階です。
この過程を、役割という視点からみると、大きく2つに分かれます。
ひとつは、実務としての役割で、建築主の資産の有効利用・保護の為の活動であります。
設立も12年が過ぎましたが、この社会的経済的状況の厳しい折、設立時の意思を自らが見つめ直ししたいと思い、設立時の会社案内に掲載した設立趣意書を再掲載することとしました。設立時の若き意気込みを忘れることなく、仕事に邁進したいと、あらためて心に記したいと思います。(2010.8.19 有限会社高橋建築研究所 BIM3D設計1級建築事務所・高橋寛)
21世紀の入口を前に、私たちをとりまく社会は、大きな転換期の真っ只中にいる様に思えます。18世妃半ばに生まれた「資本主義」と産業革命から始まる「技術革新」は、社会を大きく変えました。そして、今、私たちは、このようなシステムが必ずしも私たちの幸福に結びついていない事を認識し始めました。
建築(地域)設計に「求められる像」も大きく揺らいでいるのではないでしょうか。
そして、建築(地域)設計の役割も大きく揺らいでいるのかもしれません。
建築設計は、大きく3つの段階に分かれます。要求を整理する計画段階、法律・環境・技術・予算を総合的に考慮し、設計図を作る設計段階、安全・性能上設計どおりに施工されているかを確認する監理段階です。
この過程を、役割という視点からみると、大きく2つに分かれます。
ひとつは、実務としての役割で、建築主の資産の有効利用・保護の為の活動であります。
住宅を例にすると、計画段階では、楽しく生きいき生活できる間取りの有効利用を考えることであり、設計段階では、無駄なく・安全な構造・設備・材料の適切な利用を考えます。監理では、施工に手抜きがないかを厳しく確認する事です。先の「阪神・淡路大震災」の被害の多くが、手抜さ工事の為であったこと、法体系・材料の複雑化により、今後この設計の役割がますます重要視されることになるでしょう。
もうひとつは、創造的役割です。私たちの価値観は、ますます多様化・複雑化しています。このような社会・環境の変化に対し、よりいっそう快適で適切な建築(地域)を、計画・設計・監理の各々の段階で、提案することであります。この活動の評価が、設計の個性・顔というべきものとなります。
実務・創造の2つの役割は、車の両輪のごとく、建築設計にとって欠くべからざる条件であり、今後、良質の建築(地域)設計をめざす基礎であると考えています。
さて、冒頭で、建築(地域)設計に「求められる像」も大きく揺らいでいる、と申しましたが、実は、2つの役割のうち創造的役割が揺らいでいるといえます。むしろ、提案の必要性は不変ですが、それ以前に、その対象である「建築(地域)、もしくはその設計」の意味自体が、時代の大きな変化の中で、揺らいでいるのではないでしょうか。
この「建築(地域)設計とは何か」の回答が、すなわち、「これからの建築(地域)設計の可能性」への道標であり、活動を始めるに当たり、私たちの顔ともいえる、創造的役割への行動の理念・原理を示していると考えています。レイアウト、動画・画像が、画面幅にパラメトリックに変化。のはずが・・修正完了。各ディバイスで見やすくなりました。2014.11.5
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