IT革命→3次元設計/Building Information Model(BIM)
たぶん、古代ギリシャの時代から、設計図は、紙に定規とコンパスによってかかれていたに違いない。日本でも定規が墨壷から張られた糸に変わっただけ。平面・断面を書いて、立体・光の反射は設計者の頭の中で構想される。もちろん、透視図・模型を作成し、立体化がされますが。あくまでも、構想者(設計者)の恣意的で部分的な立体化です。
3次元設計は、イメージをPCの中で立体化して、その立体イメージ=仮想現実として、共有する。つまり、
- 旧来の2次元の共有から、「3次元のエレクトリカルリアル(電子的現実)」を共有すること、
- その「3次元のエレクトリカルリアル(電子的現実)」をインターネット(Internet)で簡単に多くの人と共有できる。
という意味で、3次元設計が、設計のIT(Information Technology)といえるのではないだろうか。
人類2000年、変わらず用いられてきた設計手法の概念が、変わる。2000年使ってきた道具を手放し、新しい道具に持ち替えるとき、その使い方の研究から始めなればならないが、この新しい道具に、新たな可能性が潜んでいることを信じている。
経営の変化→プロジェクトマネージメント/Project Management(PM)
P.F.ドラッガーに代表されるアメリカ経営学の蓄積は、IT革命により花開いたといえるのではないだろうか。IT革命というと世界を駆け巡る株価情報をすぐ思い出すが、そればかりではない。経営判断の精緻な情報収集、論理的で複雑な情報の計算処理、プレゼンテーション処理。相手を説得させる分析とプレゼンテーション。これらにITは欠かせない。ITにより経営が論理的に説明され、手法として確立された用に見える。
設計において、このような経営的視点から建設行為を見直そうとしているのがプロジェクトマネージメント/Project Management(PM)という概念なのである。
そもそも「設計者は、建築主のパートナーであり、状況を達観的に見極め組み立てるのが、職能である」ことは、「3.5設計とは」で示した。しかし、一般的に設計者は「狭義のデザイン=最終成果物としての形態(形・色・質感)」のみに偏る傾向にあり、建築主も、計画・設計当初はこのデザインのみにその判断をゆだねる傾向にある。結果として、予算・工程・使い勝手についてトラブルが発生する傾向にある。ここで、登場したのが、建築主と設計者を繋ぐ仲介職能としてのPMである。
しかし、上の設計者の職能不足によるばかりではない。建設に経営的視点が持ち込まれ、建築への要求は、複雑化している。環境問題・社会の変化・建築技術の発達は、建築・建設の目的さえ、見えにくくしている。この状況の中で、ITにより論理化された経営的考えを理解しつつ、建築・建設においてもITを利用し、「要求・目的」「目標」「方法」を導き、コスト・工程を管理する知識・技術・経験が今まさに求められている。それがPMである。