近代以降の革新
古代ギリシャからある意味建築住宅のありよう、存在の意味・価値は変わらぬものがあるのであろう。しかし、大きな革新があったのには違いない。鉄と鉄筋コンクリート、さらに加えるならば大量生産の板ガラスという材料の革新。さらに、重機・搬送機器・機材の発達により、巨大建築が生まれ、大量の建築・住宅が生み出された。モダニズムは、建築住宅にとって、まさに大革命であった。
モダニズム以降、設計は革新されたであろうか。電話やfAXという通信手段、構造の電算機技術を除けば、人間の頭でぼんやりとイメージする空間を、人力による大量の図面を使って、整合を図りつつ設計を行うことには代わりがなかったように思う。唯一、構造の電算機は、巨大な高層ビルを次々生み出している。
モダニズム以降の設計の革新とは、技術的発展というより、思想的・哲学的発展であったように思う。建設技術の発展に対し、設計は論理的にそれを支える役目にあったように思う。