オープンブック(原価公開)による 最終工事価格
工事が始まればリスクが生じることがある。しかし、多くの場合は、想定内のリスクといえる。従来10%のリスクを見込んでいたとしよう。もし、工事中にリスクが発生して、4%分のリスクが発生したとしよう。この発生したリスクは、施工者の責任はまったくなく、また、契約時に、この場合は、発注者が負担するという取り決めがあったとすれば、施工者のリスク負担は0(ゼロ)円。発注者側の負担は、発生リスク費全額の4%となるが、当初のリスクが、10%であることを考えると、10%-4%=6%のコストダウンとなる。
ただし、以下の点については、気をつける必要がある。
発生リスク費の種類と負担者・負担割合の事前の取り決め。
- リスク事案により負担する負担者
- 施工者負担
- 発注者負担
- 施工者・発注者折半
- 設計者負担
- 一般に資金力がないので負担は難しい。できても設計事務所保険の範囲となろう。
- 工事リスクの発生要因を極力排除
- 設計図の整合性
- 見積落し
- 発注者の深い理解による変更の防止
- 正確な見積査定
- できれば第3者(設計者)による公正・厳密な査定