コストダウンを論じる前に、契約用見積と、建設の実態を把握しなければならない。建て前と、実態の異なる日本特有とされる建築見積もりの実体を紹介。設計施工一体の請負形式が主流であるが故の建設業界の実体である。
1.上代・契約・実行価格
建て前と、実際に建設行為において、実行される予算の乖離がある。
2.工事リスク費・利益
建設行為には工事リスクが存在する。しかし、発生しない工事リスクは、見えぬままに自動的に企業の利益へと転ずる。
3.オープンブック原価公開方式コストダウンの原理
アメリカでPMが発達した理由は、実はここににあった。工事リスクを明示することである。
4.価値を反映しない見積
契約用の見積もりは、建設行為の実体価値を反映していない。かつ、さまざまな要素が工事金額の中にばら撒かれて、実際の価値が見えないものとなっている。