サーバ導入の契機とデータベースサーバとしての利用
もともとは、「デスクトップ/Dimension XPS R350を利用していたが、HDDが10GBでまもなく容量不足となり、市販の外付けHDDで代用。しかし、2年で破損、データ復旧に苦労する。(市販の外付けHDDは、付けっぱなしだとすぐ破損する様で・・・)。」との理由で、デスクトップのHDDの容量不足を補い、かつ、データを保護することを目的に、RAIDによるミラリングを購入。このサーバに3Dモデル用のデータを置き、デスクトップ(Dimension XPS R350)とノートLattitudeC610をLAN接続し、サーバのデータ保管ドライブを、デスクトップ、ノート双方ともネットワークドライブに割り当て作業していました。
これには、データを一元的に管理できるメリットがあります。そのことで、次のような作業のうち、2つが同時にできます。
- 3Dモデルから平面・断面・立面の抽出計算。
- 図面シート作成(抽出図面を図面シートに貼り付け、図面を作成します。)
- レンダリング
- 数量計算。
これは、案外重要で、図面の最終段階は、限られた時間となり、その時間の制約のなかで、修正を繰り返し、再計算をさせながら、最終2次元図面を完成させるため、同時に作業することが重要となってきます。また、2次元図面だけでなく、プレゼンレーションのレンダリング、数量計算もすることとなるので、3Dデータを同時に使えることが重要となってくるのです。3Dデータをサーバに一元的に置くことで、作業ファイルの構造的イメージもわかりやすくなります。作業ファイルの構造的イメージとは、どこにどのようなファイルが設定されているのかで、BIM(Building Information Model)の場合は、3Dモデル自体も複数となったり、3Dモデル以外の関連データファイルが組み合わさっているので、ファイル構造を比較的容易に、イメージできることも重要になってきます。
このようにデータベースサーバとしての意味合いで導入し、導入後半年ほど前までこのような利用をしてきました。
(2010年9月)
現在はデータバックアップサーバとして利用
上のようにデータベースサーバとして使ってきたが、Bentley MicroStation & Trifoma(以下 Trifoma) とその拡張ソフトBentley Architecture(以下Architecture)の利用に当たって、これまでにいくつかの課題が発生した。課題とは次の3点である。
- データ転送時の何らかの不具合(途中で電源ダウンなど)により3Dモデルファイルの破損(復旧不能)
- Architectureの設定複雑化による設定管理の難しさ
- アニメーションデータ作成によるサーバHDD容量の不足
1.データ転送時の何らかの不具合(途中で電源ダウンなど)により3Dモデルファイルの破損(復旧不能)
1回であるが、完全にデータが消えてしまった。
Bentleyのサポートに相談したところ、理由はタイトルにあるとおりである。同様の事例が報告されているらしい。ファイル破損の副次的課題が以下の2つである。
バックアックを自動的にされるフリーソフトを入れているが、破損に気づくのが遅く、破損後のファイルをそのまま上書きしてしまったこと。
最近のMicroStationの3Dモデルファイルは、3Dモデルファイルの中に、切り取り平面・断面・立面の計算後のファイルも含まれているため、破損すると3D・2Dのデータ全てが失われる。(以前は3Dモデルファイルと、断面抽出のファイルが別々で、ひとつのプロジェクトで数百の大量のファイルがつくられた。図面作成時に、ファイル選択作業が非常に楽となったが、反面全てのファイルが失われることとなる。
2.Architectureの設定複雑化による設定管理の難しさ
Microstationは、3Dモデリングとアニメーションを含むレンダリングを行うプラットフォームである。Trifomaでは、3Dモデルから2D図面の抽出、数量・見積算定、仕様管理(キーノート)が可能となった。それに加えArchitectureでは、作表作業が可能となる。いわゆるデータグループである。これによりまた新しい関連ファイルが加わり、ファイル管理が難しくなった。
そこで、3Dモデルファイルを、ドライブを割り当てることによりサーバーに読みに行くという設定では、また設定が煩雑となるわけである。たとえば、サーバにある3Dモデルファイルを見て、複数のPCで作業しようとすると、単にCADをインストールしたパソコンから3Dモデルファイルを見に行けばよいわけではない。関連データファイルの設定が共有されていなければならない。この関連データファイルの設定を各パソコンで同一にして置くのが、結構難しいのである。
メーカーであるBentleyは、同一パソコン内で操作するのを推奨している。そのひとつの要因には、関連データファイルのどこをどのように見に行っているかを一般ユーザーが把握するのは難しく(無理に近く・・)、決められたマニュアルのなかで作業することを推奨する傾向に進んでいるように思える。
3.アニメーションデータ作成によるサーバHDD容量の不足
この1年ほどで、YouTubeのアップできるデータ容量も大きくなったようである。HD画像での動画をアップロードできるし、最大容量は2GBである。さらに、アニメーションの作成はGIF画像に変換してからAVIを作成するため、JPGファイルのように圧縮されていないGIF画像では大きな容量を必要とする。
さらにアドグリフ式(赤青めがね)3D画像の作成で気づいたのであるが、これを作成するためには、コマごとにこの画像を作成するための特別なファイルが必要路され、160GB程度であれば、すぐいっぱいとなってしまう。そこで全てのデータを一括してサーバで保管するのが、難しい。
上の課題を回避のため、データバックアップサーバに移行する。
データバックアップサーバとしての利用は以下のように考えている。
- 主要なデータはワークステーションで保持し、それをこのサーバにバックアップする。
- アニメーションのレンダリングデータはレンダリング用ワークステーションで保持し、アニメーションの主要なデータのみをこのサーバにバックアップする。
(2010年9月)
PowerEdge
サーバーの仕様は、なかなか難しいようです。私の場合、購入するため、Dell販売も窓口と電話で相談したところ、Webやその他の広告で表示されている価格よりも、2倍の価格となってしまいました。表示されている価格は、最小限の仕様のようで、購入の際は、納得の行くまで、ご相談されて方がいいでしょう。
しかし、市販の外付けHDDは、付けっ放しでPCと同じように使うと、すぐ破損する。早いのは1ヶ月、もって1年、僕は2年だったがラッキー・・しかしそれだけ多くのデータが失われてアンラッキー。それが常識のようです。実際、PC取り付け用のHDDを購入すると、重くてがっちりしています。PCでも個人用と法人用のスペックは堅牢さが全然違うようです。そこで常時付けっ放しの前提であるサーバーは、堅牢で、それだけ高価になるって事のようです。バックアップは、通常のPCで行うことも可能でしょうし、PCのHDDをRAIDにしておくなど、より簡易な方法で済ませることも可能でしょう。・・でも、最も信頼性の高いのはサーバでしょう。