コックピットで中心的作業をするワークステーションを改造
■仕様概略■
中心的作業をするワークステーションの改造後の性能
- DELL Precision T3400(詳細は- ->こちら)
- クアッドコア Intel Core2Quad Q9650(12MB L2キャッシュ、3.00GHz)
- 8GBデュアルチャネル PC2-6200 DDR2-SDRAMメモリ(667MHz ECC) 2GBx4/
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- 160GB SATA 3.0Gb/s 7200rmp NCQ HDD +1TB SATA 3.0Gb/s 7200rmp HDD
- DVD±R/RW (DVD-R 2層書き込み対応)
- nVIDIA Quadro FX 4600 768MB GDDR3 SDRAM, PCI-Expressx16, DVI×2
- Windows7 Professional SP1 64bit
- + WindowsXP Professional Edition SP3 共存
- 64bit 非対応ソフトの実行のため、及び旧システムを復元できるように旧OSバージョン WindowsXP Professional Edition SP3を、共存させています。
(2012.8.5)
以下はその詳細。
改造・グレードアップの理由
CAD自体も日々進化している。進化は、当然PCの性能の向上を前提としているわけであるから、CADをバージョンアップすると旧世代のPCでは、動かなくなることも、多々ある。今回のPCのグレードアップの理由は、下の二つの理由による。
- BentleyArchtectureのセクションビューがフリーズ状態となる。
- 使用ソフト増加と高度化、作成データの増加による記憶容量不足。
BentleyArchtectureのセクションビューとは
「セクションビュー」とは、断面図を作成するV8iシリーズからの新機能である。
従来は「セクションマネージャー」という機能で3Dモデルから断面図を作成していた。これは、3Dモデルから断面部分の2次元線情報をPCで計算し、断面図として抽出される。
「セクションビュー」では、3Dモデルを指定断面で切断したモデルを作成し、断面図では、その断面モデルの切断面のビューを表示することにより、断面図を作成する昨日である。
上の二つの機能の決定的違いは何かといえば、「セクションビュー」では、3Dモデルの各パーツが直接表示されているため、3Dパーツの属性(面積・仕上げなどの情報)が保持されている点にある。「セクションマネージャー」では、その3Dパーツの属性が消滅してしまう。すなわち、「セクションビュー」では、その属性(面積・仕上げなどの情報)を「データグループ」によって表示させることによって、より効率的かつ整合性の高い2D図面の作成が可能になる。
「データグループ」システムは、今後、BentleyArchtectureに必須の機能となりそうなので、「セクションビュー」への対応も必須と考えれれる。
BentleyArchtectureのセクションビューがフリーズの要因
「セクションビュー」のフリーズは、14階建てマンションの規模になると発生した。実は、もう1台の同機種PCでは、「セクションビュー」のフリーズは発生していない。このPCとの違いは、CPU性能。
- フリーズしたPC:デュアルコア Intel Core2Duo E6850(12MB L2キャッシュ、3.00GHz)
- フリーズしないPC:クアッドコア Intel Core2Quad Q9650(45nmプロセス、12MB L2キャッシュ、3.00GHz)
このデュアルコアとクアッドコアの違いのようだ。メモリは4GBで同じ、むしろフリーズしたPCの方がECC対応で高性能。グラフィックカードは、nVIDIA Quadro FX 1700 PCI-E 512MBで同じである。
一方、CADメーカーのBentley社に聞いてみると、OSを64bitにすることを、奨めれれた。以下のすべて作業を終えた結果から考えると、「フリーズによるフリーズの改善はなさそうである。」というのが私の結論である。OSを64bitにし、BentleyArchtectureを64bit対応にしても、実は現時点で「BentleyArchtectureを64bit対応」とは、32bitベースの「BentleyArchtecture」を64bitOSでも正常に作動するように、改良しただけであり、実際は32bitのシステムで動いている。その結果、「フリーズによるフリーズの改善はなさそうである。」と後で気がついた。
CADメーカー側で、データ規模と、PCの詳細性能の判断は付きにくく、実務上、こんなことも3D・BIM設計の厄介なところだ。しかし、OS64bit化は、時代の趨勢であり、この時点でOS64bitに転換することを決めた。OS64bit化同時に、64bitの機能を引き出し為、メモリを8MB(32bitでは4MBまで、それ以上積んでも機能しない。64bitは16GBまで搭載可能)に改造・増設。
ついでに、ビュー表示がグラフィックボード性能に関係しないかも確かめるため、グラフィックボード性能もアップすることとした。
アニメーション作成により、大量の画像の保存が必要となるための記憶容量不足
3Dモデルを利用しアニメーションを作成できるのがBIM設計のひとつの特徴である。しかし、アニメーションは大量の画像が発生する。HD画像(1280x720pix)となると、結構な量なのである。このため、HDDの増設も決定する。
改造・グレードアップの内容
上のような理由で以下の改造・グレードアップを行う。新しいPCに変えたいところであるが、まだ、改造によるグレードアップが可能だったので、改造によりこの製品(T3400)のほぼ最大限に性能をアップさせている。ワークステーションやデスクトップにいいところは、改造・グレードアップのできるところですね。改造内容は下記です。
- CPUの取り替え・グレードアップ。
- (旧) Intel Core2Duo E6850→(新) Intel Core2Quad Q9650
- HDDの増設。
- メモリ取り替え・グレードアップ。
- (旧)PC2-5300 DDR2-SDRAM [667MHz ECC) 1GBx4→(新)PC2-6200 DDR2-SDRAM [800MHz ECC) 2GBx4
- グラフィックカード取り替え・グレードアップ。
- (旧)VIDIA Quadro FX 1700 512MB→(新)VIDIA Quadro FX 4600 768MB
- OSグレードアップ
- (旧)WindowsXP 32bit→(新)Windows7 64bit
(2012.8.5)