プロジェクトマネジメントPM講座
BSI講義要約 

構造計画と計画コストコントロール

講義日:2004/4/7 講師名:常木 康弘

1. 構造コストコントロールの基本

コスト誤差の目標は基本計画で10~15%、基本設計で5~2%を目標とする。構造コストは、次のの二つに大別される

  1. 地下の有無・階高・構造形式など意匠計画に関る要素
  2. 部材設計の純粋な構造設計に関る要素

「2部材設計の純粋な構造設計に関る要素」の操作可能な範囲はごくわずかであり「1地下の有無・階高・構造形式など意匠計画に関る要素」が大きく構造コストに影響する。したがって基本設計段階が構造コストコントロールの最も重要なフェーズである。概算方式は、一般的な形態・形式の設計は経験データより、特殊・大規模な設計の場合は積み上げ方式の検討をする。つまり、

  1. 一般的な形態・形式の設計→経験データ
  2. 特殊・大規模な設計の場合→積み上げ方式

 

2. 建設コストに占める構造関連コストのウエート
  1. 構造関連コストの内容
    • 構造関連コストは「1.土工」「2.地業」「3.躯体」に分けられる。それぞれのコストのばらつき要因は、次の理由により、決まる。
    1. 土工→建物の地下形態・残土処分・湧水
    2. 地業→支持層の深さ・杭工法
    3. 躯体→構造種別・階高・スパンでコストが決まる。
  2. 総工事費に対する構造関連コストのウエート
    • S造高層ビルでも単位面積あたりの鉄骨使用量はばらつきが見られるが、全工事費の構造関連工事費の割合を見ると30±5%にとどまる。
  3. 建物用途による構造関連コストの違い
    • 設備工事も含めた全工事費で構造関連コストの割合を見ると製薬会社研究所の19.8%から工場の44.3%とばらつき場見られるが、設備工事を除く構造関連コストは45%前後とほぼ一定の割合を示す。
3. 構造グレード(耐震性能等)とコストの関係
  1. 構造に要求される性能
    • 構造性能を分類すると次の4つに分けられる。
    1. 機能性
    2. 表現性
    3. 安全性
    4. 生産性
    • 「2.安全性」を軽視するのは論外であるが、一般に高い性能を期待すると、必ずコストアップにつながる。全体のバランスを考え性能を決定する必要がある。
  2. 階高とコスト
    • 純ラーメン鉄骨造では、階高により適正な梁高さを確保すると、階高と鋼材使用量は比例の関係にある。但し天井高を確保するため梁高さを一定・スパンが9mを超えると鋼材使用量は、等比級数的に増える。ブレース構造S造・耐震壁RC・SRC造は柱長さの増加分が鋼材増加量といえる。
  3. スパンとコスト
    • スパンにより構造形式が変わる。おおまかに言えば10mまでがRC、10mから15mがSRC又はS造、15mを超えるとS造となる。近年平面計画の自由度を求め25mものスパンも計画されるが、コストに大きく跳ね返る。計画性能上の当否を十分問う必要がある。
  4. 耐震性能とコスト
    • 兵庫県南部地震以来、発注者が耐震性能を指定する場合も多い。下表はそのグレード設定例である。BからSにグレードアップした場合総建築費の10%アップ、コンピューターセンターの場合20%アップとなる。免震構造とした場合一般的には総建築費の10%アップであるが。コンピューターセンターの場合、免震床の不要・機器の耐震対策の軽減により、コストダウンの効果は大きい。また、一般建物においても機器備品の耐震対策を考えると免震構造は有効な場合も多い。

前提条件

地震の強さ

中地震

大地震

適用されるべき対象建物

震度

4

6

加速度

100ガル

400ガル

耐震グレード

SSグレード

打合せによる

打合せによる

原子力施設

Sグレード

無被害

軽微な被害

防災拠点・拠点病院

Aグレード

無被害

小破

一般病院・避難施設・コンピューターセンター

Bグレード

軽微な被害

中破

(基準法適用)一般建物

Eグレード

小破

-

無人倉庫・ラック

 

4. 構造コスト各論
  1. 地下計画とコスト
    • 地下計画は地盤状況に左右されるが特に地下水位と不透水層を把握しなければならない。工事期間中の地下水揚水は多大な費用がかかること、止水層までのSMWの実施も親杭横矢板・シートパイルに比べ高価である。オープンカットが土工事では最も安価で、平面計画から考慮する必要がある。7500㎡5層モデルで地下一階と杭あり地下なしを比較すると地下は7%工事費増である。
  2. 地業計画とコスト
    • 一般的には既製コンクリート杭・場所打ちコンクリート杭・鋼杭の順で高価とされる。近年地盤改良が認められる場合もあること、杭とフーチング地耐圧の合成効果も認めるケースがある。
      • 一般的コストグレード
      • (安価)既製コンクリート杭→場所打ちコンクリート杭→鋼杭(高価)
  3. 構造種別架構形式とコスト
    • 一般的に工 事費全体でみるとRC・SRC・Sの順に高価である。但しS造の場合RC系に比べ内外装費の割合が高く、仕上グレードにより大きく左右される。
      • 一般的コストグレード
      • (安価)RC→SRC→S(高価)

 

5. 構造VE

LVEは実施設計の後設計を大きく変えないことが前提である。CFTなどは近年提案される例である。



スマホ、iPadに対応、Naviを修正。

レイアウト、動画・画像が、画面幅にパラメトリックに変化。のはずが・・修正完了。各ディバイスで見やすくなりました。2014.11.5

特集|
投資関連サイト集
REITファンドやセミナー、資料集めに。
PCソフト&セキュリティー
効率的仕事のための情報。セキュリティー比較
レンタルサーバー・ITサービス
進化するITを積極利用のためのサイト比較
SEO・アフリエイト
実践しているSEOとアフリエイト集
アクセスありがとうございます。
あなたは 番目のお客様です。
03-5694-3866  お問合せはこちら
一級建築士設計事務所:東京都知事登録42995号 (本社)東京(北上事務所)岩手北上
高橋建築研究所ロゴ2 会社案内設計料お問い合せ原価公開オープンブック協力会社登録NEWS履歴| プライバシーポリシーサイトマップ| リンク| ©2007 有限会社高橋建築研究所・一級建築士事務所